結論から:2026年の富士登山は、吉田ルート(山梨県)と須走ルート(静岡県)が7月1日〜9月10日、御殿場・富士宮ルート(静岡県)が7月10日〜9月10日の開山予定です。通行料(入山料)は全ルート共通で1人1回4,000円。山梨県(吉田)と静岡県(須走・御殿場・富士宮)では手続き・返金条件が異なるため、ルートを決めてから該当する県の制度を確認してください。費用については、確認できた交通費・山小屋宿泊費の実例をもとに、6章で概算の立て方を示します。
情報の扱いについて
本記事の開山期間・料金・規制条件は2026-08-10に富士登山オフィシャルサイト(山梨県側・静岡県側)、および費用に関する部分はバス事業者・山小屋の各公式サイトで確認した情報をもとにしています。気象・残雪状況等により変更される場合があります。登山直前に必ず公式サイトでご確認ください。
1. 富士登山とは
富士登山は、山梨県側の吉田ルートと、静岡県側の須走・御殿場・富士宮ルートの計4ルートから五合目以降を歩いて山頂を目指す登山です。須走ルートは静岡県駿東郡小山町に位置し、静岡県側3ルートの1つです(吉田ルートとは異なる県の制度が適用されます)。
1年のうち夏山シーズンのみ開かれる、入山料の納付と、県・ルートに応じた手続きが必要な登山です。県によって手続き・決済・返金の仕組みが異なるため、まず自分の登るルートがどちらの制度に属するかを確認することが最初のステップです。
はじめての方向け・用語ミニ解説
- 日帰り登山:山小屋に宿泊せず、登山を開始したのと同じ日のうちに下山する計画のこと。入山する時刻によって定義される言葉ではありません。制度上は可能ですが、体力・高山病リスクの観点から山小屋宿泊が一般的に推奨されます
- 弾丸登山:山小屋に宿泊せず、十分な休息を取らないまま夜通し歩いて山頂を目指す登り方。「日帰り登山」とは別の概念ですが、休憩・高度順応の時間を確保しない日帰り計画は、結果的に弾丸登山と共通するリスク(高山病・疲労・転倒等)を抱えやすくなります
- 事前学習・入山手続き:静岡県側3ルート(須走・御殿場・富士宮)の登山者に必要な手続き。FUJI NAVI等のオンラインで事前に済ませる方法が基本ですが、スマートフォンを使えない場合等は現地(五合目)での手続きも可能です
- 通行予約:吉田ルートで任意に行える、登山道の通行に関する事前予約。山小屋の宿泊予約とは別のものです。予約する場合は事前決済が必要です
- 山小屋宿泊予約:登山ルート上の宿泊施設の事前予約。弾丸登山を避けるために推奨されるほか、後述する吉田ルートの人数規制・夜間規制の両方で通行の例外として扱われます
2. 4ルート制度マトリクス|開山期間・入山料・手続き
4ルートを個別に比較します。県ごとにグループ化する前に、まず自分が使うルート単体の条件を確認してください。
| ルート | 所属県 | 2026年開山期間 | 入山料 | 事前手続き |
|---|---|---|---|---|
| 吉田 | 山梨県 | 7/1〜9/10 | 4,000円 | 通行予約は任意(する場合は事前決済) |
| 須走 | 静岡県 | 7/1 9:00〜9/10 17:00 | 4,000円 | 入山手続きが必要(オンラインが基本、現地手続きも可) |
| 御殿場 | 静岡県 | 7/10 9:00〜9/10 17:00 | 4,000円 | 同須走 |
| 富士宮 | 静岡県 | 7/10 9:00〜9/10 17:00 | 4,000円 | 同須走 |
出典:富士登山オフィシャルサイト(山梨県側)・同(静岡県側)、2026-08-10確認
※吉田ルートの開山期間は、山梨県公式サイトで確認できる日付のみを記載しています。
⚠️ 須走ルートの開山日(7月1日)は吉田ルートと同じですが、須走ルートは静岡県側の制度が適用されます(山梨県の予約・返金条件は適用されません)。開山日の一致と所属県は別の情報なので混同しないでください。
3. 予約・手続き・キャンセルの条件(県ごとに異なる)
▶ このセクションの要点:山梨県(吉田)と静岡県(須走・御殿場・富士宮)では、手続きの方法とキャンセル・返金の条件が異なります。必ず自分のルートの県を確認してから進めてください。
吉田ルート(山梨県)の場合
- 登山道の通行予約(任意)。予約する場合は通行料4,000円の事前決済(クレジットカードまたはPayPay)が必要。この予約は山小屋の宿泊予約とは別のものです
- 当日14時までに五合目ゲートを通過しなかった場合は規制対象になる
- 決済日の翌々日から全額のキャンセル料がかかります。交通機関の遅延を含む自己都合によるキャンセルは返金されません。県の都合により通行できなかった場合のみ返金されます。
須走・御殿場・富士宮ルート(静岡県)の場合
- 入山手続き(事前学習・登山情報の登録・入山料の納付)が必要です。FUJI NAVIアプリを使ったオンライン手続きが基本ですが、スマートフォンを使えない場合等は、現地(登山口)でも同等の手続きができます。「アプリを必ず使わなければならない」わけではなく、必要なのは入山手続きそのものです
- 入山手続きは入山日当日までキャンセル・全額返金が可能です。ただし現地受付で認証を受けた後はキャンセルできません。
⚠️ 山梨県側と静岡県側で条件が異なります。「山梨県は当日まで返金可能」「静岡県は翌々日から返金不可」のように県を取り違えないよう注意してください(正しくは逆で、静岡県側が当日まで返金可能です)。
4. 規制事項・制限
▶ このセクションの要点:吉田ルートには「4,000人上限」と「夜間ゲート閉鎖」という別々の2つの規制があります。例外となる人も規制ごとに異なるため、混同しないよう分けて説明します。
規制A:1日あたりの登山者数上限(吉田ルートのみ)
原則:吉田ルートでは、1日の登山者数が4,000人に達した場合、ゲートが閉鎖されます。
対象外(通行できる人):①事前に通行予約(登山道の通行に関する予約。決済済みのもの)をしている人、②山小屋宿泊予約者。
なお、山小屋宿泊予約者であっても通行料4,000円の支払いは必要です(現地での支払いも可能)。規制の対象外になることと、通行料が不要になることは別です。
通行予約がなく、山小屋宿泊予約者でもない日帰り目的の登山者は、上限到達後は通行できません。混雑が予想される週末・お盆期間に吉田ルートを日帰りで利用する予定がある場合は、事前に通行予約・決済をしておくことを推奨します。須走・御殿場・富士宮ルートには、公式に明示された人数上限はありません。
規制B:夜間ゲート閉鎖(14:00〜翌3:00)
原則:吉田ルートでは午後2時から翌日午前3時まで、入山のためのゲートを閉鎖します。須走・御殿場・富士宮ルートも同じ時間帯は入山に山小屋宿泊が必須です。
対象外(入山できる人):山小屋宿泊予約者。なお、この時間帯でも下山はいつでも可能です(対象は入山のみ)。
規制A(4,000人上限)と規制B(夜間ゲート閉鎖)はどちらも「山小屋宿泊予約者」が通行できる点で共通していますが、発生する条件(人数到達/時間帯)が異なる別の規制です。
装備チェック
吉田ルート(山梨県)では、五合目で防寒着・上下セパレート式の雨具・登山に適した靴の確認が行われます。装備が不十分と判断された場合は、通行できないことがあります。静岡県側3ルートの装備確認の有無については、本記事執筆時点で確認できていません。
5. 4ルートの比較
⚠️ 以下の距離・標高差・所要時間は既存の公式案内に基づく目安値です(本記事では2026年時点の再検証を行っていません)。体力・天候・混雑により変動します。訪問前に公式サイトでご確認ください。
| ルート | 所属県 | 五合目標高 | 距離(登り/下り) | 標高差 | 登り目安 | 下り目安 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 吉田 | 山梨県 | 2,305m | 6.8km/7.0km | 約1,450m | 約6時間10分 | 約3時間35分 |
| 須走 | 静岡県 | 2,000m | 6.9km/6.2km | 約1,700m | 約6時間25分 | 約3時間20分 |
| 御殿場 | 静岡県 | 1,440m | 10.5km/8.4km | 約2,300m | 約8時間40分 | 約3時間30分 |
| 富士宮 | 静岡県 | 2,400m | 4.3km/4.3km | 約1,320m | 約5時間10分 | 約2時間40分 |
吉田ルート(山梨県)
| 五合目標高 | 2,305m |
| 距離(登り/下り) | 6.8km/7.0km |
| 標高差 | 約1,450m |
| 登り目安 | 約6時間10分 |
| 下り目安 | 約3時間35分 |
須走ルート(静岡県)
| 五合目標高 | 2,000m |
| 距離(登り/下り) | 6.9km/6.2km |
| 標高差 | 約1,700m |
| 登り目安 | 約6時間25分 |
| 下り目安 | 約3時間20分 |
御殿場ルート(静岡県)
| 五合目標高 | 1,440m |
| 距離(登り/下り) | 10.5km/8.4km |
| 標高差 | 約2,300m |
| 登り目安 | 約8時間40分 |
| 下り目安 | 約3時間30分 |
富士宮ルート(静岡県)
| 五合目標高 | 2,400m |
| 距離(登り/下り) | 4.3km/4.3km |
| 標高差 | 約1,320m |
| 登り目安 | 約5時間10分 |
| 下り目安 | 約2時間40分 |
目的別の選び方
- 距離・標高差を抑えたい人
- 富士宮ルートが候補です。4ルート中もっとも距離・標高差が短い一方、五合目の開始標高が高く、岩場が多い区間があります。登り・下りが同じ道である点も考慮してください。
- 山小屋の選択肢を比較したい人
- 吉田ルートが候補です。4ルート中もっとも山小屋の数が多いルートですが、山小屋数が多いことは空室があることを意味しません。繁忙期は早めの予約が必要です。利用者が多いため、登山道が混み合う場面もあります。
- 吉田ルートと異なる登山道を歩きたい人
- 須走ルートが候補です。樹林帯を含む独自の登山道がありますが、本八合目付近で吉田ルートと合流し、その先は合流区間となります。合流後の混雑を避けられるとは限りません。
- 距離の長いルートを希望する人
- 御殿場ルートが候補です。4ルート中もっとも距離・標高差が大きいルートです。山小屋の数が少ないため、計画は慎重に立ててください。
※ここでの分類はルートの客観的な特性(距離・標高差・山小屋数・合流区間の有無)に基づく編集部の整理です。「初心者向け」「上級者向け」というルート自体の難易度断定は行っていません。当日の混雑・天候・個人の体力によって適した選択は変わります。
6. 費用の内訳と予算の立て方
富士登山の費用は入山料だけではありません。今回、交通費・山小屋宿泊費について、バス事業者・山小屋の公式サイトから確認できる範囲で金額を調査しました(2026-08-10確認)。装備レンタル費は事業者公式サイト上で個別料金を確認できなかったためUNVERIFIEDとしています。確認できていない項目は断定せず、確認できた項目のみ具体的な金額を示します。
予算の考え方:
総予算 = 通行料(入山料)+ 五合目までの交通費 + 山小屋宿泊費(利用する場合)+ 不足装備の購入・レンタル費用 + 食事・飲料等 + その他必要経費
| 費用項目 | 金額の性質 | 詳細 |
|---|---|---|
| 通行料(入山料) | 2026年確定額 | 全4ルート共通、1人1回4,000円 |
| 五合目までの交通費 | 確認済み実例あり(富士宮ルート) | 水ヶ塚公園駐車場⇔富士宮口五合目のマイカー規制シャトルバス往復(大人)2,400円。出典:富士急静岡バス公式サイト、2026-08-10確認。他ルートの交通費は本記事では未確認 |
| 山小屋宿泊費 | 確認済み実例あり(富士宮口山頂) | 頂上富士館(富士宮口山頂に位置。吉田口・須走口からは山頂到着後さらに約30分、御殿場口からは約5分でアクセス可)の1泊2食付は14,000円(税込、2026年7/10〜9/9適用)。出典:頂上富士館公式サイト、2026-08-10確認。山小屋ごとに料金は異なるため、この金額は「1つの実例」であり全山小屋の相場ではありません |
| 食事・飲料・トイレ協力金等 | 今回未確認・断定しない | 行動食・飲料の準備費用、山中トイレの協力金等が発生することがありますが、本記事では金額を確認していません |
| 悪天候時の追加費用 | 発生する場合とそうでない場合がある | 天候悪化で入山を中止・撤退する場合、麓での追加宿泊や交通変更の費用が発生することがあります。本記事では金額を確認していません |
モデル予算(条件固定・1例のみ)
例:富士宮ルート・1泊2日・装備は保有済み(レンタル不要)の場合
| 入山料 | 4,000円 |
| 水ヶ塚公園⇔富士宮口五合目 往復シャトルバス | 2,400円 |
| 山小屋1泊2食(頂上富士館の実例) | 14,000円 |
| 小計(この3項目のみ) | 20,400円 |
※これは「富士宮ルート・1泊2日・装備保有済み」という条件を固定した場合の、確認できた3項目のみの合計です。食事・飲料・トイレ協力金・悪天候時の追加費用等は含まれておらず、実際の総費用はこれより高くなります。他の山小屋・他の交通手段を使う場合は金額が変わります。「富士登山の平均予算」「標準予算」ではなく、あくまで条件を固定した1つの実例です。
※この予算例は「初日に頂上富士館(富士宮口山頂)まで登って宿泊し、翌朝下山する」計画を想定しています。7章の基本プラン(中腹の山小屋で1泊し、翌朝あらためて山頂を目指す計画)とは異なる、別の計画例です。ご自身の体力・経験に応じてどちらの計画が適しているか判断してください。
⚠️ 装備レンタル費(本記事では金額を確認できていません)・食事代・トイレ協力金・悪天候時の追加費用は、山小屋・ルート・個人の計画によって変動します。最新の金額は各公式サイト・レンタル事業者でご確認ください。
7. 初心者向けの基本プラン
5章の客観比較をふまえた、初めて富士登山に挑戦する場合の一例です。ルートは「距離・標高差を抑えたいか」「山小屋の選択肢を重視するか」等、自分が優先する条件で選んでください。ここでは一例として富士宮ルートの1泊2日を示します(距離を優先するケースの一例であり、富士宮ルートが初心者の標準ルートという意味ではありません)。
基本プラン(富士宮ルート・1泊2日の例)
自宅・宿泊地(出発)
↓ シャトルバス・マイカー規制に注意(4章参照)
富士宮口五合目(標高2,400m)
↓ 五合目で休憩し、高い標高の環境に体を慣らしてから登り始める
↓ 登り、山小屋のある地点まで(休憩を含む)
山小屋(宿泊・休息)
↓ 翌朝、体調・天候を確認して山頂へ(希望する場合)
山頂(ご来光を目指す場合はこの区間で調整)
↓ 下り 約2時間40分(五合目まで)
富士宮口五合目
※これは一般的な安全計画の一例であり、時刻表ではありません。五合目での休憩時間に固定の目安はなく、高山病を防ぐ効果を保証するものでもありません。山小屋の位置・当日の体力・天候により調整してください。すべての人にこの計画が最適とは限りません。
- 弾丸登山(山小屋に宿泊せず、十分な休息を取らないまま夜通し登頂を目指す登り方)は公式に危険と注意喚起されています。日帰り登山自体は制度上可能ですが、休憩や高度順応の時間を確保しない計画は弾丸登山と共通するリスクを抱えやすくなります。
- 標高2,400mからでも高山病のリスクはあります。無理のないペース配分が大切です
- 天候急変は珍しくありません。撤退の判断基準を事前に決めておきましょう
8. どんな人に向いているか(タイプ別の準備度チェック)
5章はルート同士の比較、7章は初心者向けプランの一例でした。この章では「自分は今シーズン挑戦してよい準備度にあるか」を整理します。
✅ 挑戦しやすい人
以下に当てはまる人は、準備を進めて問題ありません:
- 山小屋を予約し、宿泊前提のスケジュールを組める(弾丸登山をしない)
- 自分のルートの県(山梨/静岡)を確認し、必要な手続き(通行予約 or 入山手続き)を登山日までに済ませられる
- 防寒着・雨具・登山靴を準備できる(吉田ルートは五合目で確認あり)
- 6章の費用実例を参考に、自分の計画でかかる金額のおおよそを把握できている
⚠️ 準備を見直したほうがよい人
- 休憩・高度順応の時間を確保せず、夜通しで山頂を目指す計画になっている(弾丸登山)
- 装備が十分でない
- 悪天候時に撤退する判断基準を決めていない
9. 日帰りできるかの判断方法
日帰り登山(山小屋に宿泊せず、登山を開始したのと同じ日のうちに下山する計画)自体は、制度上可能です。ただし、体力・高山病リスクの観点から山小屋宿泊が一般的に推奨されます。休憩・高度順応の時間を十分に確保しないまま日帰りを急ぐ計画は、弾丸登山と共通するリスク(高山病・疲労・転倒等)を抱えやすくなります。
判断の手順
- 吉田ルートを使う場合は、規制A(4,000人上限)・規制B(14:00〜翌3:00の夜間ゲート閉鎖)の対象になっていないか確認する(4章参照)
- 選んだルートの往復所要時間を確認する(5章の表を参照)
- 休憩・高山病対策の時間を上乗せして計算する
- 天候悪化時に撤退できる余裕があるか確認する
10. よくある失敗・注意点
失敗1:山梨県側で「後からキャンセルできる」と誤解する
吉田ルートを事前決済した場合、決済日の翌々日から全額キャンセル料がかかります。交通機関の遅延等の自己都合では返金されません。
失敗2:静岡県側で入山手続きをせずに登山口へ行く
須走・御殿場・富士宮ルートの登山者は入山手続きが必要です。オンラインでの事前手続きが基本ですが、現地でも手続きは可能です。「アプリがないと登れない」わけではありませんが、手続きそのものは省略できません。
失敗3:装備不足で吉田ルートのゲートを通過できない
防寒着・上下セパレート式の雨具・登山靴が不十分と判断されると、吉田ルートのゲートを通行できないことがあります。
失敗4:休憩・高度順応なしで登頂を急ぐ(弾丸登山化)
山小屋に宿泊せず、十分な休息を取らないまま一気に登頂を目指す「弾丸登山」は、けが・健康上の問題を生じるおそれがあると公式に注意喚起されています。日帰りを計画する場合も、休憩・高度順応の時間を確保してください。
失敗5:4,000人上限と夜間ゲート閉鎖を同じ規制だと思い込む
吉田ルートには「1日4,000人に達した場合のゲート閉鎖」と「14:00〜翌3:00の夜間ゲート閉鎖」という別々の規制があります。どちらも山小屋宿泊予約者は通行できますが、発生する条件(人数到達/時間帯)が異なります(4章参照)。
失敗6:天候急変を想定していない
登山開始時に晴れていても、強風・濃霧・落雷に見舞われることがしばしばあります。お盆の頃でも氷点下や降雪があり得ると公式に注意喚起されています。
対策
天候・体調に応じて撤退できる予備日・予備時間を確保し、装備チェックリストを出発前に確認しましょう。
11. 富士登山の歴史的背景
富士山は古くから信仰の対象とされ、登山道そのものが長い歴史を持っています。
山岳信仰と登拝の伝統
富士山は古来より山岳信仰の対象とされ、江戸時代には「富士講」と呼ばれる庶民の集団登拝が盛んに行われました。現在の吉田ルートは、当時の「吉田口登山道」の流れをくむルートとされています。
現代の富士登山との違い
現在の富士登山は、当時とは異なり通行料・予約制・装備チェックといった管理された制度のもとで行われています。信仰目的の登拝から、観光・スポーツとしての登山へと性格が変化しながらも、山頂を目指して同じ道を歩くという行為そのものは、何世代にもわたって受け継がれてきました。
本セクションの歴史的背景は編集部による一般的な解説であり、特定の年代・人物に関する断定的な出典明記は行っていません。詳細な学術的検証が必要な場合は専門資料をご参照ください。
よくある質問
- Q1. 初心者はどのルートがよいですか?
- 「初心者向け」という単一の正解はなく、優先したい条件によって候補が変わります。距離・標高差を抑えたいなら富士宮ルート、山小屋の選択肢を重視するなら吉田ルートが候補です。ルートによって所属県と手続きが異なるため、決める前に4ルート制度マトリクス(2章)をご確認ください。
- Q2. 2026年は何月に登れますか?
- 吉田ルート(山梨県)と須走ルート(静岡県)は7月1日〜9月10日、御殿場・富士宮ルート(静岡県)は7月10日〜9月10日です。
- Q3. 予約やアプリは必須ですか?
- 吉田ルート(山梨県)は通行予約任意(する場合は事前決済)です。須走・御殿場・富士宮ルート(静岡県)は入山手続きが必要ですが、アプリの利用自体が必須というわけではありません。オンラインでの事前手続きが基本ですが、スマートフォンを使えない場合等は現地(五合目)でも手続きができます。
- Q4. 費用はいくらかかりますか?
- 2026年に確定している金額は入山料の1人1回4,000円です。これに加えて、富士宮ルートの実例では往復シャトルバス代2,400円、山小屋1泊2食14,000円が確認できています(合計20,400円、装備保有済みの場合。2026-08-10確認)。他ルートの交通費・宿泊費、装備レンタル費、食事・悪天候時費用等は本記事では確認できていません(6章参照)。
- Q5. 予約後にキャンセルできますか?
- 吉田ルート(山梨県)は決済日の翌々日から全額キャンセル料がかかり、自己都合では返金されません。須走・御殿場・富士宮ルート(静岡県)は入山日当日まで全額返金が可能です(現地認証後は不可)。県によって条件が異なる点にご注意ください。
- Q6. 日帰りは可能ですか?弾丸登山と同じですか?
- 日帰り登山(山小屋に宿泊せず、登山を開始したのと同じ日のうちに下山する計画)自体は制度上可能です。弾丸登山(山小屋に宿泊せず、十分な休息を取らずに夜通し登頂を目指す登り方)とは異なる概念ですが、休憩・高度順応の時間を確保しない日帰り計画は弾丸登山と共通するリスクを抱えやすくなります。公式には弾丸登山が危険と注意喚起されています。
- Q7. 服装と持ち物は?
- 吉田ルート(山梨県)では防寒着・上下セパレート式の雨具・登山靴の確認があり、不十分と判断されると通行できないことがあります。真夏でも氷点下や降雪があり得るため、防寒対策は必須です。
- Q8. 吉田ルートの「1日4,000人上限」と「夜間ゲート閉鎖」はどう違いますか?
- 別々の規制です。4,000人上限は1日の登山者数が基準に達すると発動し、通行予約者・山小屋宿泊予約者は通行できます。夜間ゲート閉鎖は14:00〜翌3:00の時間帯に発動し、山小屋宿泊予約者は入山でき、下山はいつでも可能です。須走・御殿場・富士宮ルート(静岡県)には人数上限はありません。
登山当日・前日の気象条件は、気象庁の観測データと警報・注意報をそのまま整理した富士山なうで確認できます。本記事の計画とあわせて、出発前の判断材料としてご利用ください。

